― 会場+オンラインを組み合わせた最新イベント運営の成功ポイント ―
近年、日本では「オンライン配信」と「リアル会場」を組み合わせた ハイブリッドイベント が急速に普及しています。コロナ禍を経てオンラインイベントが一般化し、しかし同時に“リアルの価値”が見直される中で、双方の強みを組み合わせた形式は企業・自治体・教育機関など、幅広い場面で活用されるようになりました。
本記事では、ハイブリッドイベントの実際の事例をもとに、成功のポイントや注意点、運営の具体的な方法まで紹介します
これからハイブリッドイベントを企画する方や、既存イベントをアップデートしたい企業担当者に役立つ内容です。
■ 1. ハイブリッドイベントとは
ハイブリッドイベントとは、
リアル会場(オフライン)+オンライン配信(Web)を同時に行うイベント のことを指します。
参加者は
- 会場に来場して参加
- 自宅・会社からオンライン視聴
どちらも可能で、運営側は両方の参加者にとって最適な体験設計を行う必要があります。
日本の企業では、以下のような理由から導入が増えています。
- 全国に拠点があるためオンライン視聴者が多い
- 会場を小規模にしつつ参加人数を最大化したい
- リアルの臨場感を活かしつつ、配信アーカイブも残したい
- 出展者・スポンサーへの価値提供を拡大したい
この柔軟性こそが、ハイブリッドイベントの最大の強みです。
■ 2. 成功しているハイブリッドイベントの特徴
ハイブリッドイベントにはさまざまな形がありますが、成功しているイベントには共通点があります。
◆ ① リアルとオンラインの“目的を別々に設計”している
失敗例で多いのが、
「リアルをそのままオンラインに流しているだけ」
という構造です。
成功例では、
- 会場参加者には体験要素・双方向性
- オンライン参加者には映像クオリティと情報整理
といった形で、目的に合わせた体験分離を行っています。
◆ ② 専用の配信チームを用意
配信をスタッフ1人で担当するのは危険です。
成功例では、
- 配信スイッチャー
- 音声担当
- カメラマン
などが最低限配置されています。
◆ ③ 会場設計段階で「配信映像」を重視
照明・スクリーン位置・カメラ動線など、配信映像を前提に空間設計しているイベントはクオリティが高い傾向にあります。
◆ ④ アーカイブ配信を活用し、長期的な価値を創出
ハイブリッドイベントはアーカイブを残しやすいため、
- 新規顧客へのPR
- 社内学習向けコンテンツ
として二次利用できる強みがあります。
■ 3. 【事例①】全国向け製品発表会のハイブリッド化
◆ 概要
大手メーカーが毎年行っている製品発表会。例年は大規模ホールでの開催でしたが、遠方の取引先が増えたため、ハイブリッド化を実施しました。
◆ 実施内容
- リアル会場:招待客・メディア向け
- オンライン:全国の販売代理店が視聴
- カメラ3台体制
- スクリーンは200インチを使用
- ステージ後方にはLEDビジョンを設置
◆ 成果
- リアル参加者:例年より30%減だが、オンライン視聴で総参加数は過去最高
- 発表会後の問い合わせ増加
- アーカイブが営業資料として使われ、商談率向上
◆ ポイント
製品発表会は視認性が命。
オンライン視聴者にも伝わるよう、
照明・カメラワーク・スクリーンの大きさへの投資が成功要因となりました。
■ 4. 【事例②】大学オープンキャンパス
◆ 概要
地方大学が、志願者減少対策としてオンライン配信を取り入れたケース。
◆ 実施内容
- 講堂でリアル説明
- キャンパスツアーはカメラチームが生中継
- オンライン質問専用のスタッフを配置
- 学部ごとにオンラインブースを用意
◆ 成果
オンライン視聴者の約20%が、後日リアルキャンパス見学に来場。
遠方からの志願者増につながりました。
◆ ポイント
オンライン視聴者の“孤立”を避けるため、
質問係専属スタッフ を配置した点が評価されています。
■ 5. 【事例③】企業の周年記念式典
◆ 概要
大規模な式典を行うには会場の確保・コスト・人数上限などの問題があったため、ハイブリッド形式を採用。
◆ 実施内容
- 会場には社員代表のみ
- 海外支社の参加者はオンライン視聴
- ステージでは社長挨拶と表彰式
- 同時通訳チームが配信にミックス
◆ 成果
- 海外拠点の参加率が過去最高
- 社内の統一感・帰属意識が向上
- 配信映像は社内ポータルにアーカイブ化し、研修素材としても活用
◆ ポイント
配信映像のクオリティを最重視し、
複数カメラ+ピンマイク+インカム連携 を導入したことで、オンラインでも臨場感のある映像に仕上がりました。
■ 6. 【事例④】展示会・商談会のオンライン併設
◆ 概要
展示会がハイブリッド化するケースが増加しています。
来場できない取引先のためにオンライン商談を併設した例をご紹介します。
◆ 実施内容
- 会場:小間ブースを通常通り構築
- オンライン:製品デモのライブ配信
- 出展者向けに「オンライン商談ルーム」を設置
- 資料ダウンロードやチャット質問が可能
◆ 成果
- 来場者は例年の70%だったが、商談総数は逆に増加
- 海外企業からの問い合わせが急増
- 出展者の満足度が非常に高い
◆ ポイント
リアル展示の臨場感×オンラインの利便性
というハイブリッドの効果が最大限現れた事例です。
■ 7. ハイブリッドイベントを成功させるポイント
実施事例から見えてきた“共通の成功条件”をまとめます。
● 1. 会場設計段階で配信を前提にする
スクリーン位置、照明角度、カメラ動線をあらかじめ考慮する。
● 2. 配信チームは専門人材を確保
経験者がいるだけで成功率が大きく変わります。
● 3. オンライン視聴者への専用対応を用意
質問スタッフ・チャット対応・資料リンク提供など。
● 4. アーカイブを必ず残す
ハイブリッドのメリットを最大化できます。
● 5. トラブルを想定したリハーサル必須
配信と会場の両方で確認が必要。
■ 8. ハイブリッドイベントの今後
日本の企業や公共機関ではすでに“標準形式”として浸透しつつあります。
- 出席できない人の参加機会を保障
- 地域・国境を超えた参加が可能
- コストと規模のバランスが良い
- データ分析しやすくマーケティングに強い
これらの理由から、今後も拡大していくことは間違いありません。
■ まとめ:ハイブリッドイベントは価値最大化のスタンダード
ハイブリッドイベントは、
リアルの良さ × オンラインの利便性
を融合した現代型イベントです。
成功事例から学べるのは、
“リアルとオンラインを同じ扱いにしない”
ということ。
それぞれの参加者に合わせた体験設計が、イベント価値を最大化させます。
本記事の事例とポイントを参考に、ぜひあなたのイベント企画にも取り入れてみてください。


