オンライン配信で最も重要なのは“インターネット回線”
安定しない回線はトラブルの元。失敗しないための基礎知識と実践対策
オンラインイベント・ウェビナー・ハイブリッド配信など、現代のイベント運営では「インターネット回線の品質」がイベント成功の鍵を握ります。
音声トラブル、映像停止、配信が途中で落ちる、画質が荒れる――。
これらはすべて、機材の問題ではなく 回線トラブル が原因であるケースが非常に多いのです。
しかし、「会場にWi-Fiがあります」と言われて安心してしまう企業も少なくありません。
実際には、配信用としてそのWi-Fiを使うのは極めて危険であり、“回線の選び方次第で配信の成功率が激変”します。
本記事では、
・なぜインターネット回線が重要なのか
・回線の種類と特徴
・配信に必要な回線速度
・イベントで起きやすいトラブル
・プロが実践する回線の確保方法
までを分かりやすく解説します。
■ 1. オンライン配信は「回線品質」で決まる
オンライン配信は、音声・映像・資料・チャットなどのデータをリアルタイムにアップロードすることで成り立ちます。
つまり、配信側が安定してデータをインターネットへ送り出せなければ、視聴者側はどれだけ高速な回線を持っていようと、途切れた映像しか受け取れません。
特にZoomウェビナー、YouTube Live、Teams、Vimeoなどは、プラットフォーム側でも一定の通信品質を要求します。
この基準を満たしていない回線を使ってしまうと、
・映像が止まる
・音声だけになる
・画質が著しく落ちる
・配信が落ちる(ストリーム終了)
といった致命的トラブルが発生するのです。
● 回線が不安定だと起きる主な症状
- 配信ソフト(OBS、Wirecast)が赤く点滅する
- ビットレートが下がって画質が崩壊
- Zoom や Teams が「低帯域幅」と警告
- 映像がフリーズしてリロードされる
- 最悪の場合、配信そのものがストップ
オンラインイベントは“参加者が画面の向こうで見ているだけ”なので、失敗するとダイレクトに信頼低下につながります。
■ 2. 会場のWi-Fiを信用してはいけない理由
イベント会場の多くは「Wi-Fi完備」とアピールしていますが、配信用に使えるわけではありません。
● 会場Wi-Fiが配信に向かない理由
- 不特定多数が同時に利用するため速度が安定しない
- アップロード速度が遅い(数Mbpsしか出ないことも)
- 接続数が増えると極端に遅くなる
- セキュリティ制限で外部配信がブロックされる場合がある
- 担当者が回線の仕様を把握していない
特にビジネスイベントでは、参加者がスマホでネットを使い始めると一気に回線が落ちるため、配信が途切れる可能性が非常に高いです。
◎ 絶対に覚えておくべきこと
オンライン配信に“無料Wi-Fi”を使ってはいけない。
これはプロの現場では常識です。
■ 3. 配信で使用されるインターネット回線の種類
オンライン配信で使われる代表的な回線は以下の通りです。
● ① 光回線(固定回線):最優先で確保すべき
イベント配信で最も安定し、プロも最初に求めるのが 光回線(有線LAN) です。
メリット
- 速度が安定
- アップロード速度が速い(50~300Mbps以上)
- ノイズに強い
- 配信トラブルが起きにくい
デメリット
- 会場によっては引き込みがない
- 建物の配線状況に左右される
可能なら、必ず光回線の「有線LAN」を利用してください。
● ② モバイル回線(4G/5G):あくまで“補助回線”
5Gの登場により、通信速度は大幅に向上しましたが、依然として 安定性には欠ける ため、
メインではなくバックアップ回線として使用する
のが正しい使い方です。
メリット
- どこでも使える
- 予備回線としては優秀
デメリット
- 電波状況に左右される
- 同時利用者が増えると速度低下
- 建物の構造で不安定になる
特に地下・倉庫型会場・ホテル宴会場では電波が弱くなりがちです。
● ③ ポケットWi-Fi:配信には不向き
ポケットWi-Fiは、構造上
- アンテナ性能が弱い
- 親機が小さく熱暴走しやすい
- 速度が出にくい
ため、配信に使うのは危険です。
※ SNSライブ配信などのライト用途なら可。
● ④ 会場専用回線:使えるなら最強
一部の大規模会場では、専用の“有料配信回線” を提供しています。
これは一般利用者が使わないため、非常に安定しています。
例:
- ホテル宴会場の専用光回線
- コンベンションセンターのイベント回線
- ホールの専用配信回線
費用はかかりますが、
失敗しないための“保険”としては安い投資
です。
■ 4. 配信に必要な回線速度の目安
ここでは配信で最低限必要な速度を解説します。
重要なのは “ダウンロード” ではなく “アップロード速度” です。
● 必要なアップロード速度
- HD配信(720p):5Mbps 以上
- フルHD(1080p):10~15Mbps 以上
- 高画質配信(1080p60fps):20~30Mbps 以上
- Zoomウェビナー:3~4Mbps 程度
- YouTube Live:ビットレートに応じて 5~20Mbps
ここで注意すべきは
“必要な速度” ではなく “安定して出続ける速度” が大事
という点です。
例えば
- 速度が朝は20Mbps → 午後は3Mbps
- 同時利用者で急に落ちる
- 途切れ途切れで波が激しい
こうした回線は、たとえ高速でも配信には不向きです。
■ 5. イベントで実際に起きる“回線トラブル”
オンライン・ハイブリッドイベントの現場では、以下のような回線トラブルが頻発します。
● ① ホテルのWi-Fiが全く使えない
ホテル宴会場は参加者のスマホ利用が多く、Wi-Fiが瞬時に圧迫されます。
● ② 会場担当者が回線の種類を把握していない
「インターネットできます」と言われても、
・共有回線?
・固定回線?
・Wi-Fiのみ?
など曖昧なことが多いです。
● ③ 会場のLAN差込口が実は“インターネットにつながっていない”
イベントではよくあることです。
● ④ LANケーブルが100Mbps対応で速度が出ない
古い会場で起きがちなトラブル。
● ⑤ 5G回線が場所によって不安定
壁が厚い建物、地下、ホールなどは特に不安定。
● ⑥ 回線が安定せず配信ソフトがストップ
OBSやZoomが「接続不安定」警告 → 画質劣化 → 強制停止
という流れはよくあります。
■ 6. プロが実践している“回線確保の方法”
ここまでは一般的な説明でしたが、ここからはプロの配信現場で実際に行われている対策をわかりやすく紹介します。
● ① 必ず事前調査(ロケハン)を実施する
・回線種類
・LANポートの場所
・速度測定
・電源位置
これらを現地で確認します。
● ② 有線LANを必ず第一候補とする
配信の鉄則です。
● ③ バックアップ回線を用意する
プロ現場では、
- 光回線 1
- 5G回線 1
最低でもこの二刀流です。
● ④ 速度測定は“複数回の時間帯”で行う
午前は速いが午後は遅い会場は珍しくありません。
● ⑤ 大規模イベントでは専用回線を購入する
費用は1~10万円ほどですが、失敗リスクを考えると必須レベル。
● ⑥ 配信PC と 参加者用Wi-Fi を絶対に混在させない
他の人の利用で配信が落ちる可能性があるため、分離が必須。
■ 7. まとめ:オンライン配信は“回線が命”
オンライン配信を成功させるために、どんな最新機材よりも重要なのは インターネット回線 です。
・会場のWi-Fiを鵜呑みにしない
・有線LANを最優先
・アップロード速度を必ず事前に確認
・バックアップ回線を用意
・専用回線がある会場を選ぶ
これらの対策によって、配信トラブルは大幅に減らせます。
オンラインイベントは、参加者が“画面越し”で参加するため、一度の通信エラーがすべての印象を左右します。
映像が止まるだけで「この会社は大丈夫?」と信用を落としてしまうことも。
もし配信の回線準備に不安がある場合は、
プロの配信チームへ相談するのが最も確実な方法 です。


