〜イベント・展示会・ライブ・企業発表会で選ぶべき映像機器とは〜
イベント制作の現場では、映像演出の中心となるディスプレイとして 「LEDビジョン」 と 「液晶プロジェクター(LCD/DLP)」 のどちらを使うべきか、必ず検討する必要がある。
どちらも映像を表示するための機器ではあるが、構造・視認性・設置性・費用・メンテナンス・演出効果など、あらゆる面で大きく異なる。
近年は技術の進化と価格の低下により、LEDビジョンが主役 になりつつあるが、プロジェクターが完全に不要になったわけではない。
それぞれの特性を正しく理解しなければ、イベントの目的に合わない選択をしてしまい、集客・演出・ブランドイメージに大きな影響 を及ぼす。
この記事では、専門業者・イベントディレクター・クリエイターの視点も織り交ぜながら、LEDビジョンと液晶プロジェクターの違いを徹底解説する。
■ そもそもLEDビジョンと液晶プロジェクターは何が違うのか?
まずは根本的な構造から整理する。
◎ LEDビジョンとは
LED(発光ダイオード)が自ら光り、巨大なディスプレイとして映像を表示する仕組み。
細かなLEDパネルの集合体であり、
- 屋内用:高精細・2.6mmピッチなど
- 屋外用:高輝度・防水・6〜10mmピッチ
- カーブや立体など自由な形状に対応
という特徴を持つ。
つまり 「自発光ディスプレイ」 であり、外部光の影響を受けにくい。
◎ 液晶プロジェクターとは
光源(レーザー/ランプ)から光を投射し、スクリーンに映像を映す仕組み。
スクリーンが必要であり、映像は反射光で見る形になる。
- 暗所での使用を前提
- 大画面を安価に作れる
- 一部では明るいレーザープロジェクターが主流
つまり 「光を投げて壁やスクリーンに映す方式」 であり、環境光に弱い。
■ 1. 明るさ・視認性の差は圧倒的|屋外=LED一択の理由
● LEDビジョンの強さ
LEDは“自発光”であるため、昼間の屋外でもしっかり視認できる。
屋外用LEDでは 5,000〜10,000nits の高輝度が一般的で、太陽光の下でも十分明るい。
→ 屋外イベントではLED以外の選択肢がほぼ存在しない。
● 液晶プロジェクターの弱点
プロジェクターは“反射光”のため、
- 会場が明るい
- 照明が強い
- 外光が差し込む
と物理的に画面が白飛びする。
最新のレーザープロジェクターでも 10,000ルーメン前後では屋外は厳しい。
→ 結論:
- 屋外=LED一択
- 明るい展示会場もLEDが圧倒的に有利
室内でのプレゼン用途ならプロジェクターもまだ使われるが、視認性だけ見るならLEDの勝ち。
■ 2. 解像度・画質|“近距離で見るならLED、遠距離ならプロジェクター”の関係
画面の美しさは「ピッチ」と「解像度」で決まる。
● LEDビジョンの画質
LEDパネルの精細度は ピクセルピッチ(mm) で表され、
数値が小さいほど高精細。
- 1.5〜2.6mm:ステージ背景・展示会で主流
- 0.9mm:ハイエンド(非常に高価)
- 4mm以上:遠距離向け
近距離でLED画面を見ると粒子が見える(粒状感)。
そのため 観覧距離が3〜5m以上の利用が推奨 される。
● 液晶プロジェクターの画質
プロジェクターは一般的に
- フルHD
- WUXGA
- 4K
と解像度自体は高い。
近距離で見てもドットが見えることはなく、解像度だけ見れば プロジェクターが優位 な場面もある。
● 結論:
- 近距離で見る展示物やLED装飾 → LED
- 会議室のプレゼンや大規模講演会 → 高解像度プロジェクターも有効
画質は用途と距離で使い分けることが最適。
■ 3. 演出自由度|LEDは「壁になる」、プロジェクターは「演出を投げる」
● LEDビジョン
LEDはパネルを組み合わせるため、
- 巨大な壁
- カーブ
- 床
- トンネル
- 立体造形
- 透明LEDでショーウィンドウ演出
など、空間そのものを映像に変える ことが可能。
“世界観を作り込むイベント”には圧倒的にLEDが優位。
● プロジェクター
プロジェクションマッピングなど、
複雑な立体物へ映像を投影できる
という強い利点がある。
建物やオブジェクトへ投影する際には欠かせない技術。
◎ 結論:
- 空間演出 → LEDの自由度が圧倒的
- 立体物へ投影 → プロジェクターにしかできない
どちらも代替不可能な独自の強みを持つ。
■ 4. 設置性・オペレーション|LEDは重いが自由度高い、プロジェクターは軽いが制約が多い
● LEDビジョンの特徴
- とにかく重い(構造体が必要)
- 電源容量も大きい
- 吊り・自立で専門的知識が必須
- バラシも時間がかかる
- しかし設置後の安定性は高い
準備は大変だが、完成すると美しい壁ができる のがLED。
● プロジェクターの特徴
- 軽量で設置が早い
- スクリーンが必要
- 投影距離を確保しなければならない
- 人が前を通ると影になる
- 光軸がズレると大問題になる
設置は容易だが、環境に左右されやすい。
◎ 結論:
- LEDは準備が大変だが確実に安定した画面が出る
- プロジェクターは簡単だが、環境の影響を受けやすい
イベント現場での“事故率”は圧倒的にプロジェクターが高い。
■ 5. コスト比較|初期費用はプロジェクターが安いが、総合コストは逆転することも
● プロジェクターの費用
- 本体は比較的安い
- スクリーンが必要
- 明るいモデルほど高額
- 消耗品のランプ交換が高い
- 大画面だと2台・3台のブレンディングが必要
結果的に、
大画面・明るさ重視の現場ではコストが増えやすい。
● LEDビジョンの費用
- 1m²あたりの単価は高い
- レンタル費用も一定額必要
- 構造・電源工事も加算
だが最近は価格が大幅に下がり、
プロジェクター×2台+スクリーン+オペレーター
よりもLEDの方が安く済むケースが増えている。
◎ 結論:
- 小・中規模:プロジェクターが安い
- 大規模・長時間・屋外:LEDの方がコスパが良い
コストは「規模」「明るさ」「目的」で逆転する。
■ 6. メンテナンス・耐久性|LEDは長寿命、プロジェクターは消耗品が多い
● LEDビジョン
- 5万〜10万時間の寿命
- パネル単位で交換可能
- 屋外仕様は高耐久
- 長期間屋外設置しても問題なし
● プロジェクター
- 光源寿命(ランプやレーザー)に限界
- フィルター清掃が必要
- ホコリに弱い
- 長時間使用すると暗くなる
ランニングコストはプロジェクターが高い。
■ 7. イベント用途別のおすすめ|どちらを選ぶべきか?
以下は現場ディレクターが実際に採用する判断基準。
◎ LEDが最適なケース
- 屋外イベント
- 大型ステージイベント
- 展示会(ブース集客を狙う)
- ブランドの世界観づくり
- SNS映え重視
- 長時間イベント
- 立体的な構造物を映像化したい(LEDトンネルなど)
最近の傾向として、企業総会・キックオフでもLEDが標準装備 になりつつある。
◎ プロジェクターが最適なケース
- 会議室・セミナー
- 予算が限られる小規模イベント
- 立体物へのプロジェクションマッピング
- スクリーンが常設されている会場
高解像度で文字や資料を大きく見せたい場合にも向いている。
■ 8. まとめ|“イベントの主役はLEDにシフト”が確実
LEDビジョンと液晶プロジェクターの違いを、
視認性、自由度、コスト、設置性、用途など多角的に比較すると次のような結論になる。
◆ LEDビジョンの強み
- 明るさが圧倒的
- 屋外でも使える
- 空間演出の自由度が非常に高い
- SNS映えしやすい
- ブランド価値を高める
- 長時間使用に向いている
◆ プロジェクターの強み
- 初期費用が安い
- 軽量で設置しやすい
- 解像度が高く資料系に強い
- 立体物への投影が可能
◎ 最終結論:
集客や演出を重視するイベント → LEDビジョンが圧倒的に最適
会議やプレゼン中心 → プロジェクターも依然有効
現在のトレンドは明確で、
“イベント=LEDビジョンを使う”が新しい常識 になりつつある。


