―「絵に描いた餅」にならない企画の作り方とは?

イベント業界では、「企画書はアイデア勝負」と思われがちです。
しかし実際の現場で求められるのは、奇抜なアイデアよりも 実際に実行できる企画書
どれだけ華やかなイメージ図や壮大なコンセプトが並んでいても、
実施不可能な企画書は“絵に描いた餅” であり、クライアントの信頼を失いかねません。

この記事では、イベント企画書で最も大切な「実施可能性」について、
なぜ重要なのか、どんな観点で企画書を作れば良いのかを、
専門知識がない人でもわかりやすく解説します。


■ 「企画書だけ立派では問題」は、なぜ起こるのか?

イベントの企画書でよくあるのが、

  • パワポのデザインはやたら立派
  • 世界観の説明はドラマティック
  • しかし実際のステージ構成が現地で再現できない
  • 配信や照明などの技術面の記載がリアルでない
  • 予算の裏付けがない
  • スケジュールが現実的でない

…といった “見た目だけ豪華” な企画。

このような企画書は、制作会社や代理店の内部でも
「企画書だけ立派では問題だよね」とよく話題に上がります。

特にクライアントに提出してしまうと、

  • 実現できないことが後から判明
  • クライアントからの信頼を失う
  • 追加費用がかさむ
  • 社内の調整が泥沼化する

という“悲劇”に繋がることも珍しくありません。

つまり 企画書には「理想」ではなく「実現できる現実」を書くことこそが最重要 なのです。


■ 「雰囲気だけでは実施不可能」――イベントは現場で動くもの

イベントは、映画や広告とは少し違っていて、
“その場で観客がいて、その場で物事が進んでしまう” という特殊な性質があります。

だからこそ企画書の段階で、

  • 会場の仕様
  • 必要な人員
  • 技術【音響・照明・映像・配信】
  • 動線
  • 安全対策
  • タイムスケジュール

といった リアルな情報 を考慮しておく必要があります。

いくら世界観が魅力的でも、
「雰囲気だけでは実施不可能」 なのがイベントの本質です。

特に、SNS映えや空間演出が重視される近年では、

  • なんとなくカッコいい演出
  • なんとなくオシャレなムード

といった“ふわっとした企画”が出てきがちですが、
その裏にある技術的条件や予算、労力が伴っていなければ実現しません。


■ 実施可能な企画書には「根拠」がある

では、実施可能な企画書と、絵に描いた餅の企画書の違いは何でしょうか?

答えは 「根拠の有無」 です。

実施可能な企画書の特徴

  1. 会場に合わせた構成になっている
  2. 技術スタッフとすり合わせている
  3. 予算に裏付けがある
  4. 具体的な動線や導線計画がある
  5. 実施までのスケジュールが現実的
  6. 想定されるトラブルへの対応策がある
  7. クライアントの目的を正確に反映している

絵に描いた餅の企画書の特徴

  • 参考画像だけ豪華
  • 現場の制約を無視している
  • 「できたらいいな」だけで根拠がない
  • 数字が出てこない
  • 必要な専門スタッフの意見を聞いていない
  • 曖昧なコンセプトだけが先行している

この差は、クライアントや上司にもすぐに見抜かれます。


■ 実施可能な企画書を作るための7つのステップ

ここからは、企画書を「実現できる企画」にするための
実践的なステップを紹介します。


① 会場と目的を正確に把握する

  • 会場の広さ
  • 天井高
  • 電源容量
  • 搬入口
  • 設置可能な音響・照明の種類
  • オンライン配信の可否

まずは 現地の情報をとにかく集めること
これがないまま企画書を書くと、後で「できません」が多発します。


② 技術スタッフ(特に音響)と早い段階で相談する

配信・ステージ・展示など、どんなイベントでも
音響は“必須かつ最もトラブルが起きやすい部分” です。

音響が崩れると、

  • 声が聞こえない
  • ハウリング
  • 配信にノイズ
  • BGMの音量がバラバラ
  • 会場の雰囲気が壊れる

と、イベントの評価が一気に下がります。

企画段階で音響のプロに相談しておくと、

  • 必要な機材
  • 会場の特性
  • リスク
  • 追加費用
  • 代替案

など、リアルな“実現性”が見えてきます。

音響は見た目には出ませんが、
イベントの印象を左右する最重要要素 なので、
最初からプロに確認しておくことが成功の近道です。


③ 企画に必要な要素を書き出す

  • ステージ
  • スタッフ
  • 音響・照明・映像
  • 配信(必要な場合)
  • 演者・MC
  • 会場の導線
  • 受付
  • 安全管理
  • 動線
  • タイムスケジュール

抜け漏れがあると、実施可能性が一気に低下します。


④ 予算を現実的に組む

「この演出にいくらかかるのか?」
「この機材は会場で使えるのか?」
「技術スタッフの人数は?」

そうした現実的な数字を積み上げていくことで、
企画書に説得力が出ます。


⑤ リスクと対応策を書く

  • 雨天の場合
  • 配信トラブル
  • 音響トラブル
  • 動線混雑
  • 進行遅延

トラブルは必ず起こるので、それを前提に企画書に盛り込みます。


⑥ 企画書の“伝わり方”をデザインする

ここで初めて、

  • デザイン
  • 図解
  • イメージ写真
  • ストーリーボード

といった「魅せる工夫」を入れていきます。

ただし、デザインが主役ではなく 現実的な企画ありき です。


⑦ 必要ならプロフェッショナルに依頼する

イベントは多くの要素が絡み合うため、
企画書を完全に社内だけで作るのは難しいこともあります。

特に、

  • 音響
  • 配信
  • カメラ
  • 照明
  • ステージ設営

などの専門領域は、プロに相談するだけで実施可能性が一気に高まります。


■ 企画書は「カッコよさ」より「確実に実現できるか」が全て

イベントの企画書は、
“読んでワクワクするもの”ではなく、“現場で実行できるもの”でなければならない
というのが最大のポイントです。

  • 絵に描いた餅のようなアイデアだけの企画
  • 雰囲気だけの抽象的な企画
  • 企画書だけ立派で現実と噛み合っていない企画

これらは評価されません。

逆に、

  • 現場を理解している
  • 技術的要件を押さえている
  • 予算が現実的
  • クライアントの目的を達成できる

そうした企画書こそ、クライアントに響き、
実際の現場でもトラブルなく形にできます。


■ まとめ:イベント企画書は「実施可能性」が最重要

イベント企画書は、創造性よりも “現実をどう実現するか” が問われるドキュメントです。

  • 絵に描いた餅では意味がない
  • 企画書だけ立派では問題
  • 雰囲気だけでは実施不可能
  • 現実的な技術・予算・スケジュールが必要
  • 特に音響などの技術面はプロと連携する

これらを押さえることで、
あなたの企画書は“実現できる企画書”へと進化します。

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